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2004年 11月 04日
下のMt. Weather(1)から続きです
「そろそろファミリーネームで呼び合うのはやめませんか」 警護を始めて6ヶ月になる彼女に、いよいよこう言わなければならなくなった。 昼間は光を受けて時間ごとに色を変える森の中の高速道路も、夜はすっかり闇の中だ。ラングレーでの緊急のミーティングには、彼女の姿もあった。とても丁寧な話し方をする同世代の彼女にずっと好感を持って来たが、今後はこれまで通りという訳にはいかない。もはや、誰にも知られないお姫様の護衛というお遊びのような仕事ではなくなってしまった。望むと望まざるにかかわらず、今後僕たちは24時間態勢のチームになる。外での人目もあるだろう。勘ぐられる回数は減らした方がいい。常時そばにいるのに名字で呼び合うのは不自然過ぎる。 「わかりました。トーマス、でいいですか?トムとどちらがいいのかしら」 「どちらでもかまいません」 「それじゃ、トーマス」 普通はトムに行くだろう、と僕は苦笑した。これが「モーガン教授」らしい部分だった。トムと呼ばれたところで、もうこれは親がつけた名前なのか、仕事上のコードネームなのか、自分でも区別がつかないし、それがどうでも良いほどありふれた名前というのも、皮肉なような気がした。 「聖トマは、復活したキリストを見て、十字架にかけられた時の体の傷に触れたいと言ったのでしたね」 「疑い深いということですよ。傷に触るまでキリストだって信じなかったんですから」 そんな聖人伝を気にかけて名前をつける親も今更いない程にありふれた名前だが、たしかに、子供のように素直に物事を信じられないというのは、キリストの前にあってこの聖人の負い目だった。後に華々しい殉教を遂げて聖人に名を連ねるが、要はそういうことだ。名前をつけたのは母だ。離婚して僕たちを離れたユダヤ系の父がつけた名前とは到底思えない。ファミリーネームのシェファード(Shepherd=羊飼いの意)で呼ばれるよりはずっと自分らしい。従順な羊飼いと疑い深いトーマスとは、なんて矛盾した取り合わせなのだろう。 「科学の関係の学者の人っていうのはよく宗教の話をするんですね」 「怖くなるんですよ。こんな手に余るものを自分たちの小さい頭で考えているということが」 ヘザー・モーガンは市内の大学の公共政策・安全保障学科の助教授で、核兵器政策の専門家だった。全米で21世紀に最も注目すべき女性の20人だかに雑誌で選ばれたこともあるようだ。40歳になるというが、年齢よりもずっと若々しい印象なのは、学生たちと時間を共にしているからなのか、家庭を持たないからなのかはわからなかった。 「一つ聞いてもいいでしょうか」 「ええ」 「どうしてこの職を引き受けたんです?こういう可能性も全く予期しなかった訳ではないでしょう?平時には名前が表に出る訳でもない。怖くなかったのですか」 彼女は指を口元に当てて少し考えていた。 「現政権への反抗心でしょうか」 そして悪戯っぽい笑顔を浮かべてみせた。 「あなたはどうしてこの仕事をしているんです?怖くはありませんか」 思いがけないほど高い声で笑った自分に、自分で驚いた。そんなことを聞き返されたのは初めてだった。 希望していたのは諜報分析官だったし、その職で採用されたはずだった。今だってオフィスでデスクワークをする方がずっといいと思っている。週7日、一日も休みがない生活なんかするつもりは毛頭なかった。ところがいざトレーニングを始めると、不幸にして--と言うべきと思うが--射撃の腕が人並み以上だった。いや、人並みを外れていたらしい。自分でも思いがけない才能だった。実戦部隊の捜査官(エージェント)に回されたのは、ただそれだけの理由だ。 「しばらく家には帰れませんね。ホテル住まいはご不便だとは思いますが」 彼女はまた唇に指を押し当てて考え事をしているようだった。 「本を取りに帰ることはできるでしょうか?」 もっともだ。大学の教員にはそれが仕事道具だろうから。それでも、こういう事態になった以上、できれば彼女を家に帰すことは避けたかった。誰が家の周りを見ているかわからないことを思えば、警護をしている自分がその家に出入りして、顔を売るような真似も避けたかった。 「難しいと思うのですが…」 「信頼できる友人がいます。彼女に運んでもらうのはどうでしょう。急ぎで欲しい本もいくらかあるんです」 「誰ですか」 「幼なじみです。大学でも一緒でした。今はNIST(National Institute of Standards and Technology)と契約のある、核エネルギーのリサーチ会社に勤めています。」 「政府機関に出入りですか。」 しばらく考えたが、反対する理由があるのかが疑問だった。とりあえず身元だけは洗っておくことにしよう。 高速を出て3件目のホテルの駐車場に車を入れ、フロントに向かう。 チェックインの手続きをしているところにセルが鳴った。 本部からの番号が表示されている。 今度は「影の」エネルギー省長官が、護衛のエージェントと共に射殺された。 (つづく)
by raphie
| 2004-11-04 13:44
| LangleyVA/CIAmystery
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