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2006年 01月 17日
Pageant of Peace (1)
Pageant of Peace (2) アメリカ中が家族と過ごす休日に、その家族との時間を潰されてラングレイに到着したニューメキシコ州選出上院議員の政策スタッフは、それでも僕の話には同情的かつ協力的だった。エミリオ・フェルナンデスは、西部州選挙民の中でも最重要基盤の一つとなっている中南米、特にメキシコ出身の移民であるヒスパニック対策の専門家と名乗った。名前から推察できる通り、自身もメキシコ移民の家系にあるフェルナンデスは、褐色の肌と黒々とした長めの髪に口髭をたくわえて、黒いスーツの下の太めのストライプのシャツがよく似合っている。肩幅が広くがっしりとした体格は、メキシコの人々の多くの祖先が、遠く16世紀の大航海時代以来、スペイン人と中南米のインディオの間で何世代にもわたって混合婚を繰り返してきたことをよく物語っていた。 僕は、ニューメキシコが州を挙げてワシントンへと送り出した友好のもみの木が、テロの危機にさらされていることを手短にフェルナンデスに話した。 「イスラムが悪者という訳では決してありませんが」 イスラムの問題を語り始める前に、最近では誰もが約束事のように置く前置きを言い添えて、フェルナンデスは話し始めた。 「アメリカ在住のヒスパニックのイスラム回帰についてはご存じですか?」 僕は宗教としてのイスラムについては、捜査上必要な最低限の知識しかないことを自覚している。フェルナンデスは、「改宗」ではなく「回帰」と言った。 「まだごく小さな集団ですが、中南米移民とその子孫、ヒスパニックのイスラム改宗に私たちは注目しています。全米で、1997年の40,000人から5年後の2002年に60,000人に増えたというデータがあります。ご存じの通りヒスパニックは9割方カトリックですが、アメリカの連邦や各州の移民政策への不満から多民族主義に関わる教義を積極的に説くミッション・グループに魅了されて、イスラムに改宗する者の数が増えているのです。ご覧の通り、私たちの多くには…」 フェルナンデスは一呼吸置いて僕を見た。 「私も含めて、アラブの血が混ざっています」 その通りだった。史上初のイスラム王朝が成立して以来、イベリア半島には繰り返しアラブ人が流れ込み、スペイン人の多くはアラブの血を受け継いでアメリカ大陸にたどり着いたのだった。メスティゾと呼ばれる白人とインディオの間に生まれた者たちの子孫の多くは、実はアラブの血も受け継いでいる。彼らがイスラムに目を向けることが「改宗」ではなく「回帰」だというのは、そこに理由があるのだろう。 「アラブの血を色濃く受け継ぐヒスパニックは、アラビア語を話せないことを除けば、それほど目立つことなく中近東域を往来することができます。アメリカ育ちでアメリカに詳しい上に、アメリカ政府の政策への不満が元となっている改宗者が少なからずいる現状とこの条件を、好ましく思っている連中がいるということは想像に難くないでしょう」 ヒスパニック以外の白人と、ヒスパニックの人口比率が4割台で拮抗しているニューメキシコ州では、ヒスパニックの政治支持基盤を盤石にすることが、民主・共和両党にとって最優先の政策課題となっている。労働運動を積極的に支持し、労働者階級の権利向上問題に伝統的に強い民主党は、比較的低所得のヒスパニックにアピールすることに成功してきた。南西州の民主党の活躍は、大雑把に言えばこのような背景の上に成り立っている。一方、競争原理を支持することで、高額所得の中産階級の財産保護で中流層の支持を得てきた共和党もまた、昨今の選挙のデッドヒートから南西州およびフロリダなど東部大都市のヒスパニック層を無視することは不可能となっていた。 「財源確保も含めて、共和党はやはり中産階級のヒスパニックに興味があるのです。お気づきと思いますが…」 フェルナンデスは、イスラム回帰しているヒスパニックには、民族としての政治的な地位向上に関心の高い、知識層と富裕層が多いのだと言う。 「彼らとの衝突を、共和党はできうる限り避けたいのです」 「その中にテロ活動を支持しているグループがあったとしても?」 「規模によるでしょう」 ホワイト・ハウスがテロを黙認、もしくは支持する場合がある。 可能性がこれまで何度も、そして様々に指摘されていたし、驚きはしないとはいえ、素直に腹に落ちるものでもない。共和党同士であったとしても、議会側が知ったら、これを容認する訳にはいかないだろう。 「私たちは表だってテロ対策の専門家をスタッフに置いてはいません。ニューメキシコの民主党としても、敢えてこの動きを表出させて波風を立てようという思惑はないのです。但し、だからと言ってこの件を放置している訳では決してありません」 「そちらのオフィスの実際のセキュリティの専門家はどなたなんです?」 フェルナンデスは僕を見据え直した。体格の良い威風堂々とした彼には、まるで威嚇されているような錯覚も受ける。そして、ビンガマン上院議員の移民対策専門の政策スタッフと名乗ったフェルナンデスの略歴には、大学院の治安対策研究のプログラムを卒業したことが記されていた。 「ご承知の通り、ホワイトハウスは動かせません」 「こちらに知らせて頂いたのは正解でしたよ」 「協力していただけますか」 「喜んで」 僕は大きく息をして、膝の間で両手を組み直した。 いつの間にか手の平がすっかり汗ばんでいた。 □□□□□□□□□□□ エレインも僕も眠る暇もなく翌日を迎えた。情報をいくらかき集めても、これと言った確証のあるものが現れない。フェルナンデスとの話を元にテロの可能性を色々探ったのだが、CIAのコンピュータからも、アーカイブスからも何もヒットしなかった。夜が明ける頃には、何かに妨害されているのではないかと恨み節でコンピュータのモニタに八つ当たりをしたい程の思いに駆られた。実際に握った拳をあてたモニタからは静電気が発し、細かく関節に絡みついた。数ばかりが嵩み、真相を探り当てることのできない情報に弄ばれているようで、益々苛立ちが深まる。 大統領府は、テロの情報を今になって知り、それを黙殺したのではなく、もっと早くからこれに気づいて泳がせているのだろうか。 トレイラーは早朝、ジェイソンの到着と同時に搬送ルートに戻った。午前8時半を回った頃、搬送ルート周辺の地元警察を指揮する任にあたったばかりのダンから連絡が入る。 「搬送ルートに入っている州の4つのカウンティ(郡)で爆破未遂の逮捕者が出ました。朝食時を狙って、ホテル、州政府の文化交流センターのレストラン、それに市庁舎広場前の教会とユダヤ人コミュニティセンターなどが併設されているシナゴーグ(ユダヤ教礼拝堂)が標的にされていました」 「場所は?」 「それぞれミズーリ州プレザント・ホープ、インディアナ州ローウェル、イリノイ州ジョイ、ペンシルヴァニア州パクス…」 僕は息を呑んだ。 「予想通りでした。各施設を標的に4人から5人ずつ。逮捕者は18名。全員が精巧に作られた腕時計と、爆弾入りのバックパックを所持していたそうです」 「同時多発テロ未遂…?」 「ビンゴ。午前7時45分実行予定だったという自白が出始めています」 僕は2003年5月のモロッコの首都カサブランカでの同時多発テロのことを思い出した。12人の自爆を果たした犯人の他に3人の爆破未遂犯が生き残り、自白証言を得て、同時多発テロ計画の真相が明らかになった事件だ。数ヶ月の時間をかけて自爆志願者を集めたこの事件は、4〜5人の犯行グループが一つの攻撃目標の自爆攻撃にあたり、今回と同じようにユダヤ教集会場や多数派の人々の社交場を含む公共施設を狙ったのだった。犯人の構成こそ911の同時多発テロとそっくりだったが、アルカイダのテロでは目標物や目標時間といった方法論の部分が変幻自在ということを見せつけた事件でもある。何よりこの事件が脅威だったのは、テロリストたちが大した意味のない日に、大した意味のない攻撃目標を選ぶ可能性を示したということ。一般の何者もが何の予想も不可能なままに、テロの標的になるというその計画内容だった。今回の4件が本当というなら、攻撃目標と犯行グループの構成については、死者43人を出したこのカサブランカの事件に酷似しているのではないかと思えた。ましてや今日は、感謝祭後に全米で始まるクリスマス期一斉セールの初日でもある。早朝に公共の施設の爆破が報じられれば、アメリカの消費者経済上極めて重大なクリスマス商戦期の経済活動に、莫大な影響が出かねない。 「被害は?」 「全員を未遂で逮捕しました。幸い被害は出ていません」 「全員を逮捕…?」 (つづく) "The Pageant of Peace" (3/5) Advent Bunner, Pryzbila Center, Washington, DC Advent Candles, Holy Trinity Church, Washington, DC 季節はずれでちょっと悲しい…
by raphie
| 2006-01-17 21:07
| LangleyVA/CIAmystery
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