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2004年 12月 25日
サンタ予備校の卒業試験、結構難問だったんだ。さすが、バント校長、やってくれるわよね。
プレゼントのターゲット:「ブラジルのアンジェラちゃん」 「やっほー、南半球の夏のクリスマスは初めてっ!」なんて喜んでたアタシがおばかさんでした。 プレゼントのご所望。これもね、本当はサンタが姿を見せずに探り出さなくちゃいけないんだけど、この子のバアイは本当に難しかった。10歳のオンナノコなのに、大人の仕事しちゃっててさ。最初はオトナ並みに本心が見えなくて、何が欲しいのかなんて、なかなかわかりゃしない。仕方ないから、実際会ってみたんだ。もちろんサンタ候補生の正体は隠してね。で、聞いたの。 ブラジルのアンジェラちゃんからは、「お母さん」。 うひゃぁ。最近多いんだよね、この手のプレゼントのリクエスト。一番何とかしてあげたいけれど、一番難しい。そう思わない? 両親が離婚してお父さんに引き取られたアンジェラは、リオ・デ・ジャネイロの繁華街のクラブのボサノバ歌手だったりする。10歳よ、10歳!この国ってジドーフクシホーとか、ロードーキジュンホーとかそーゆーのはどーなっちゃってるの、ってさすがの私も腕組みしちゃったわよ。この子に近づいて、情報を色々聞き出すために、アタシはそのお店のウェイトレスになったの。で、彼女がこのクラブでもう1年近くも歌っていること。父親は同じ繁華街の別の店でやっぱり水商売の仕事をしているらしいこと。だから一番早いステージで歌っても、この子を父親が迎えに来るのは夜11時過ぎだってこと。そんな諸々の情報を何とか聞き出したの。多分クラシカルな歌を歌わせたら、名前通りの天使の歌声のアンジェラは、子供とは思えないリズム感と発声でお客を魅了しているのね。普通は低めの声でハスキーなボサノバが、透明感のあるアルトで歌われるときのアンバランスがたまらないってお客が話してたのも聞いた。だからってねぇ。子供がこんな店で歌ってるのって、どーなの? アンジェラの歌はどうやらお母さん譲りらしいんだ。 どこか別の町で今でも歌っているのかも知れない。居場所を探し当てるのも大変なんだけど、ジシュテキに登場してもらわないことにはね。サンタとしては、そういう技術も必要なワケ。 ま、腕の見せ所よね。でも街角に出て、アタシが何やってるか知ってる?この仕事着のサンタの衣装を着て、アンジェラの歌の宣伝よ。アンジェラの年齢を言ったらケーサツが出てくるかも知れないから、名前だけ。かなりさじ加減ビミョーにしながらサンドイッチマンやってたのよ。あー大変。だって、南半球のブラジルのクリスマスって、夏なのよ!サンタの衣装を着て街頭に出るのがどれだけ大変だったか、校長にもわかって欲しい!「明るい楽しい夏のクリスマスにプレゼントを運べる!」なんて悠長に喜んでたアタシって一体・・・?アンジェラのママ、頼むからイヴの晩のアンジェラのステージに、現れてちょうだいね。 そうこう言いながら、遂に来ましたイヴの晩 アタシは仕事当日だってのに、サンタの衣装を脱いで、お店に出かけたの。 なんだか皮肉と思わない?サンタの衣装ってアタシたちには制服なのに、ぜーんぜん関係ないところでサンドイッチマンやってる時だけ着てたのよ。ちょっと情けなかったけど、これも任務のためだからやむを得ないわね。 イヴの夜のステージが始まる前、アンジェラは少しソワソワしてた。オトナばかりがいる環境で育って、この子は変に大人びたところがあるけれど、でもまだサンタクロースがいることは信じてくれてるみたい。アタシにだけは、って前置きして、サンタへのプレゼントを打ち明けてくれたワケだしね。 「お姉ちゃん、ママほんとに来るかな」 「きっと来るわよ。アンジェラの代わりにサンタさんにお願いしておいたから」 「ほんとうかなぁ。サンタは忙し過ぎるんじゃないのかな」 「ちゃんと信じればきっと来てくれると思うよ」 なーんて言ったけど、ソワソワしていたのは、ほんとはアタシの方だったんだ。アンジェラのママが来てくれる確信なんて全然なかった。卒業見送りだって言うなら、もう一年やってみるしかないでしょ。でも、アンジェラが傷つくのを見るのだけは耐えられないと思ったんだ。アタシはこの子の声に魅了され始めてたし、なんだかこの子が大好きになってきてた。 控え室の隅で、アンジェラが額から胸へと静かに十字を切っていた。そしてドレスの内側にかけていた長いネックレスのチェーンを引いて、服の内側にあった小さなメダルを握りしめた。 「それはなぁに?」 「うん。マリアさま。奇跡を起こす『不思議のメダル』」 カトリック国のブラジルでは人々はかなり自由奔放にやってるみたいだけど、なかなか信心深い人が多いらしい。このメダルはヨーロッパでも見かけたことがある。 「人生で一番大切な時に、このマリアさまは助けてくれるの」 人生で一番大切な時、か。10歳のオンナノコに言わせるセリフじゃないわよね。 「ママの顔は覚えていないけれど、これはママが私に残していってくれたもの。ママが使っていたものなの」 なんだかよくわからないけど、アタシはたまらなくなってアンジェラを抱きしめたんだ。 「アタシはアンジェラのこと大好きだからね。きっとアンジェラが願ってる通りになるよ」 ビックリしたアンジェラは、少ししてから静かに言った。 「うん。私もお姉ちゃんのこと、大好きよ」 アンジェラはステージに出ていった。後ろ姿がなんだか輝いて、天使の羽が背中からはえてるみたいに見えた。真夏のクリスマスを歌うアンジェラは、少し暑苦しい昼間の太陽が沈んで、人々が待ちかねている涼やかに真っ白な月みたいだった。 ウェイトレスのアタシは一番後ろのテーブルをサーブしていて、気がついたの。きれいな色のワンピースを着た、見慣れない女性が座ってた。少し派手な化粧をしてたけど、ゆるやかに巻いた髪にはすごく似合ってた。もしかして・・・? アンジェラのステージが終わっても、その女性は素知らぬ顔でテーブルでお酒を飲んでる。違うのかな。 アンジェラもずっとその女性が気になっていたようだけど、自分に近づいてこない彼女を時々横目でのぞきながら、アタシに話し続けてた。 「お姉ちゃんはなんでこのお店で働いてるの?」 そりゃぁ、アンジェラ、あなたにプレゼントを贈りたいからよ。 なーんてね。サンタは本性を明かす訳にはいかないの。 でも、「なんでサンタになったの?」って質問にアタシには思えたんだ。 テーブルをサービスしたお客に勧められて、ホンのちょっとだけお酒も入っちゃってた。 「お姉ちゃん、失恋して独りぼっちだったんだよ」 アンジェラは一瞬、その大きくてきれいな目をまんまるにしてアタシを見たの。驚かせちゃったのね。 「ひとりでも頑張らなきゃならないもんね」 ビックリしたアンジェラを見たら、アタシの方がどぎまぎして酔いが醒めちゃって、そんなことを言ったの。 「じゃ、私とおんなじなのね」 お店の端っこで人目もはばからず、アタシたちは再び女の抱擁を交わしたってわけ。 「ひとりぼっちでも、誰かを喜ばせることはできるもの」 なんだかアタシにはアンジェラがものすごく愛おしい存在に思えてきてた。 時間はどんどん進んでいく。アタシは正直言ってかなりアセっていたけれど、でもどうにもならないこともある。そろそろカクゴをくくらなきゃダメかもね。校長にはゴメンナサイって謝ればすむけど、アンジェラの気持ちを考えると、気が重くなってたんだ。 時計を見るともう午後11時半を過ぎてる。ようやくアンジェラの父親が店にやってきた。そして、ドアのそばのテーブルに座る例の女性を見つけると、驚いた様子でそこで立ち止まった。アタシはアンジェラの手を握りしめたままで、ステージに近いところからじっとその様子をうかがっていた。 二人は口論しているみたいだった。時々アンジェラの方を指差しては、何かアンジェラのことを話してる。そのことはアンジェラにもわかったはず。きっとこんな店で働かせている父親を、彼女は責めているんだ。そして唐突に席を立ち上がると、彼女は店を出て行ってしまった。 アンジェラのバラ色の頬は血の気を失って、繋いでいた手もなんだか少しひんやりしてきた気がする。アタシは彼女の手をぎゅっと握りしめたんだ。 一人取り残されたアンジェラの父親は、気を取り直したようにステージのそばのアタシたちの方に向かって来た。近づいてくると、少し離れていてもそれとわかるくらいお酒くさかった。 「帰るぞ」 彼はアンジェラの手を無理矢理アタシから奪うようにして、引っ張って行った。父親の勢いにびっくりして我に返ったアンジェラが、アタシの方を振り返り、振り返りしながら、ドアへと向かう。アタシもその後を、なんだかバカみたいにくっついていったの。 ドアの前でアンジェラは、父親の手を離れて、アタシに抱きついた。そしてしゃがんだアタシの耳元で、内緒話をするように言ったの。 「あのね」 「なぁに?」 「私はママに会いたいってずっとマリアさまにお祈りしてたの。それから抱きしめて欲しいって」 「うん・・・」 「あの女の人はきっとママだった。私はママに会えたの」 「うん・・・」 「お姉ちゃんは今日、何度も私のこと抱きしめてくれた」 アタシはもう相づちを打つこともできなくなってた。 「サンタクロースは私のところにも来てくれたみたい。 マリアさまもちゃんとお願いを聞いてくれた。 私ね、すごく、すごく、嬉しかったの」 アタシはもう一度、今のアタシにとって、何より大切でかけがえのないものを抱きしめた。 「お姉ちゃんもひとりぼっちって思わない日が早く来るといいね」 アンジェラは手に握りしめていた『不思議のメダル』のネックレスを、アタシの手に握らせた。 「Feliz Natal (クリスマスおめでとう)。お姉ちゃんが大好き。Obrigato!(ありがとう!)」 そう言うとアンジェラは父親と一緒にドアを出て行った。 アタシは閉まったドアをずっと見つめながら、涙が止まらなかった。 サンタクロースが子供からプレゼントをもらって、どうするのよ! お客に飲まされたお酒はすっかり醒めていたのに アタシはいつまでもいつまでも、そこで泣いていたの。 静かになった店の中で、遠くにクリスマスの深夜ミサが始まる教会の鐘の音が聞こえた。 だめだ、落第生だ、アタシ。 こんなじゃ今年は卒業できそうもないや。 校長、ごめんなさい。 アタシは荷物を持って、店のドアを開けた。 教会の前で聞こえる聖歌を聴きながら、心の中で何度も繰り返したの。 "Feliz Natal, Angela." あなたは名前の通り、天使だった。 きっと素敵なボサノバ歌手になるよ。いつかママの歌を越えていくはずよ。 その時にはきっと、違う形でママと会えると思う。 サンタクロースの力じゃなくて、自分の歌の魔法でね。 通りを夏の夜のひんやりと気持ちのいい風が通り抜けた。 さあ、北の国に帰ろう。 *『ジングルベルが聴こえない ~サンタ予備校卒業試験~』参加作品です ☆★☆★☆★☆★☆【ジングルベルが聴こえない】☆★☆★☆★☆ 【企画内容】 今年最後の送りバント企画です。 サンタ予備校の卒業試験として新米サンタになり、 子どもたちにプレゼントを届けるストーリーを創作する企画です。 【参加方法】 この記事へ鍵コメで参加表明してください。 http://earll73.exblog.jp/1436778 どこの国の誰へのプレゼントかを各自にお知らせします。 それをストーリーに組み込んでください。 その他の人物像、ストーリーの背景などは自由です。 【TB期限】 12/24 21:00~ 12/25 21:00の1日 投稿日付変更機能を使って日付は12/25 0:00に合わせて下さい。 【TB記事】 http://earll73.exblog.jp/1469960 企画元 毎日が送りバント (http://earll73.exblog.jp/) ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
by raphie
| 2004-12-25 00:00
| PleasureTB/T-Backer
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