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2006年 01月 12日
Pageant of Peace (1)を先にお読みください。
感謝祭という連邦の大祝日でももちろんCIA本部は機能しているが、それでも非緊急要員はほとんどが休暇という態勢で、普段は人が多く慌ただしい入り口のセキュリティチェックポイントも建物もすべてが閑散として見えた。 話の要は、議事堂に飾られる予定のキャピトル・ツリーの輸送爆破計画だというのだ。 「不敬なあなたたちの代わりにアドヴェント・キャンドルを灯してやろう」 不吉なメッセージはイラク戦争関連収容施設から上がったのだと聞かされた。 この戦争に対するCIAの関わりはあらゆる形で取り沙汰されているが、この巨大な組織のすべてが一枚岩となってその意志を支えている訳では決してない。とりわけ、CIA主導の秘密刑務所がヨーロッパにあるという昨今の報道を苦々しく思っている僕たちのオフィスの周辺で、それでもこの戦争が少しは役に立つ情報を拾い上げ、治安維持に貢献しているのだと言われることにもどこか皮肉めいた腹立たしさがあった。 「ホワイトハウスは、アルカイダのような大規模テロ組織とは別物の可能性高しと判断している。私も間違いないと思う」 ボスは大統領府のスタッフとのミーティングから戻る帰途に僕たちを招集したのだった。 まずメッセージそのものが混乱している。 イスラム教でもキリストは予言者の一人に数えられるが、極右のテロリストがその名や記念に関わるメッセージを発するとは考えづらい。寧ろ、クリスマスの習慣に慣れた欧米育ちのイスラム教徒が右傾化すると、このような発想に陥る可能性が高いように思われた。事実、DC郊外のヴァージニア州内で逮捕されたアメリカ生まれの青年がアルカイダに感化された大統領暗殺計画を自白したというニュースが流れたのはつい数日前のことだ。犯行組織があるとするならば、僕たちのごく身近で育ち、テロ組織に感化された小集団によるものと考えた方が馴染みやすい。 「それで国土安全保障省の対応は?」 「コードは引き上げない。引き続きイエローのままだ」 「黙殺ですか?」 「表立った正式な指揮系統は採用しないという意味だと受け取っていい」 「それで全面的にこちら(CIA)にお鉢が回ってきたと…」 これ程の明瞭なテロ計画に現政権が正式な指揮計画を採用しない理由は極めてばかげた範囲で想像できる。 議事堂前で1913年にナショナル・クリスマス・ツリーとしてその歴史が始まり、ホワイトハウス前に恒久的なものとなるようナショナル・ツリーが植えられた後、1964年のクリスマスに議事堂前に再び運ばれるようになった巨大なクリスマス・ツリーの名称は、今年アメリカ中のローカルニュースの片隅でひっそりと話題にされ続けていた。 キャピトル・ホリディ・ツリーから、キャピトル・クリスマス・ツリーへ。 議事堂前のツリーの名称を正式に変更する。 このツリーを管理する議事堂(キャピトル)がこれを発表した時は決して大きなニュースにはならなかった。が、ボストン市長やカリフォルニア州知事がこれに追随してそれぞれの庁舎が管理する今年のツリーの名称を、ホリディ・ツリーからクリスマス・ツリーに正式に変更すると発表し始めてから、事態は静かに人々に知られるようになっていった。 「ツリーを飾るのがキリスト教のクリスマス以外の一体どんな習慣だというのか。ただあるべき名称に戻すだけだ」 支持者の一貫した意見である。 キャピトルの巨大なツリーをホリディ・ツリーと呼び始めたのは90年代のことだと言われている。正式にそれを認めたという記録はどこにもなく、また誰が呼び始めたのかも知られていない。当時政権にあったビル・クリントン大統領は敬虔な南部バプティストの信徒であったが、政治の場に自らの宗教をそれを擁護する立場で持ち込むことは極めて少なかった。寧ろ、政権発足年である1993年の「オスロ合意」から2000年7月の「キャンプ・デーヴィッド三者会談」まで続けられたパレスチナ和平交渉を始めとして、宗教に根ざす対立に終止符を打つべく内政、外交で活動したのだが、その一面は事実ほどは評価されていない。それでも、中庸と対話と和解への努力に一貫していたその政権下のワシントンでは、この木は「クリスマス・ツリー」よりは「ホリディ・ツリー」という呼び名が相応しかったのだろう。指導する立場の誰かではなく、その時代の市内の空気が、ツリーに呼び名を与えていたのだと思う。 「時代への逆行だ。キリスト教原理主義主導の頭ごなしの右傾化も甚だしい」 当然のように大都市のリベラルは口にしたが、大きな活動には至らなかった。政権や議会にとっては幸いな結果だった。逆から見ればこの些細な出来事は、今回のような小規模テロリストを激昂させるには余りある理由になったとも言える。 対立の種は、まずは大統領府と議会の間にあるのではないか。何らかの理由で大統領府はこのテロを自らの手で解決する意志を見せない。こんな政治的な議論に巻き込まれた一本の大きなもみの木がテロの脅威にさらされても、政権は見て見ぬ振りを決め込んでいるのだ。さらに都合の良いことに、この木はホワイトハウスのものではない。時として大統領府と袂を分かつ立法府=議会の管理下に置かれるツリーである。ホワイトハウス管轄のナショナル・ツリーと、議事堂管理のキャピトル・ツリーは、点灯式の日程の順序にまでその時代の両者の政治的な関係が反映されている。ホワイトハウス報道官は言う。「キャピトル・ツリーの点灯式はいつでも構いません。ナショナル・ツリーより先でさえなければ」。このツリーの命運は、議会の問題であって、大統領以下政権の問題ではないのだ。そして、「テロとの戦い」という政権随一の大義名分への矛盾は、CIAが尻ぬぐいという訳だ。 □□□□□□□□□□□ 「ホワイトハウスは小規模テロ集団のこけ脅しだろうと言っているが、地元警察と厳戒態勢を敷く以外ないだろう。タイムスロットで考えれば、もう手遅れでもおかしくない」 ボスはそう言いながら、PCの地図を開いて見せた。 チームで即集まることのできた僕とエレイン、そして若手のダンとジェイソンは赤く示されたツリーの搬送ルートを凝視した。 「ホワイトハウスがそんなだと、派手にはやりづらいですね」 「州警察、郡警察を動かすにも限界がある」 「それでもアドヴェント・キャンドルの点灯だなんて言うんでしょう?4カ所爆破攻撃必至なんじゃ…」 今回何より難しいのは攻撃ポイントを狭めることだ。 西部を伝うツリーの搬送ルート上には、経済・産業的に重要な人口過密都市は一つもない。攻撃し甲斐のある都市がないということになる。一つ気になるのは国内テロなどの重要犯罪被告を収監し、死刑執行設備を備える刑務所のあるインディアナ州テレホートくらいだが、そこにもとりたてた攻撃の必要性を感じない。トレイラーが通過するインターステート70では町の名前さえない場所を何百マイルも走る。テロの目標は、運ばれているツリー以外には想像しづらかった。 「運転手とスタッフが休憩を入れるのがカンザス州ドッジ・シティ、ミズーリ州カンザス・シティ、ミズーリとイリノイ州境のセント・ルイス、インディアナ州リッチモンド、それにペンシルヴァニア州ワシントン。調整日が一日入っていますが、それは公にはされていません。途中異常がなければ、ペンシルヴァニア州ワシントンとワシントンDCの間に入れることになります」 エレインが即座にデータを引いて報告をする。 「現在トレイラーは、セント・ルイスに近いミズーリ州内を走行中と思われます」 「ニュー・メキシコ州の上院議員は?」 「ジェフ・ビンガマンとピート・ドメニッチ。点灯式に招待されているのはドメニッチの方です」 「ドメニッチのスタッフにテロ関係のブレインは?」 「ニュー・メキシコはテロの専門家を出していません」 「ロスアラモスがあるのに?」(Los Alamos=第二次大戦中マンハッタン計画の中で、原子爆弾の開発を目的として創設された国立研究所。2004年7月以来活動停止中) 「ロスアラモス研究所はカリフォルニア州立大学下にありますから、その件はカリフォルニア経由になっています」 「寧ろ核廃棄施設の関連でニューメキシコの専門は環境です」 「ニューメキシコは知事とビンガマン上院議員が民主党か…」 共和党のホワイトハウスが議会を軽視する形に出ている以上、共和党選出のドメニッチを巻き込むと大統領府と議会の板挟みになり、ややこしい。かと言ってニュー・メキシコの耳に全く入れないという訳にもいかない。決断は簡単だ。たまたま民主党から選出されているビル・リチャードソン知事とビンガマン上院議員を味方につけて話を進める方が早そうだった。 「エレインは引き続き情報収集を。トーマスはビンガマン・オフィスとの調整と指揮。ダンとジェイソンは即現地へ飛んでくれ。ダンは地元警察を調整、ジェイソンはトレイラーに合流を。トレイラーの運転手とは即連絡をとり、直近の町場でジェイソンが到着するまで今夜は待機させるように。私はニュー・メキシコに飛ぶ」 ボスが解散を指示した瞬間も僕はまだスクリーン上の地図から目が離せなかった。 「もし重点的な警戒が間に合うなら…」 HOPE, LOVE, JOY, PEACE (希望・愛・喜び・平和) アドヴェント・キャンドルの言葉が気にかかっていた。馬鹿馬鹿しいという思いを否定できない。できないけれど、その日アイシャが書いたアドヴェントの4週を象徴する言葉が僕の頭から離れなくなっていた。もう一度、地図をたどり、ルート70を目で追う。ルートを少しずつはずれるが気になる地名はある。 ミズーリ州プレザント・ホープ(Pleasant Hope)、インディアナ州ローウェル(Lowell=Love Well)、イリノイ州ジョイ(Joy)、ペンシルヴァニア州パクス(Pax=Peaceラテン語)。 「そんな地名が並ぶルートだなんて、笑い事にはならなさそうね」 エレインが同意した。 「了解。即地元の警戒を敷いて、僕らも向かいます」 「ホワイトハウスも冷たいものね」 他のスタッフが出て行ったオフィスで、書類をまとめながらエレインが言った。 「被害者10人未満なら、やらせるに任せておくってことか。お粗末な駆け引きだね」 ボスがホワイトハウスにCIAサイドで得た情報を持ち込まなければ、この件は本当に黙殺され、テロは実行に移されるままだったのではないだろうか。 「狙われているのはスタッフの人命より寧ろツリーだから放っておこうなんて発想になるのでしょう?」 「ツリーだっていい迷惑だよ。可哀想だろう?」 「可哀想?」 エレインが問い直して僕は言葉に詰まった。 「DCの大切な木だから。アイシャもこの町で育つんだし、将来そんな話を聞いたらがっかりするよ」 「情報が引き出せたらすぐ戻るわ」 エレインは少し口元を緩ませて微笑むと、オフィスを離れた。 ひとりきりになった部屋で、僕はビンガマン・オフィスのスタッフの略歴表に目を通す。 ジェフ・ビンガマンの政策アドバイザーの中堅、エミリオ・フェルナンデスが到着した時、午後8時を過ぎたラングレイの森は、文字通りの闇だった。 (つづく) "The Pageant of Peace" (2/5) 紛らわしいくらい本当のことを書いていますが、ストーリーは「全部嘘(フィクション)です」(ⓒkemichoさん)。 The National Christmas Tree at the Elypse/the White House, Washington, DC
by raphie
| 2006-01-12 21:05
| LangleyVA/CIAmystery
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