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2004年 12月 13日
頂いたコメントで記事を一本書いてしまおうと、姑息な手段に出ている笑ッカーアメリカ総局長(自称)ことらふぃです。こんにちは。
NYの雄、ミュージカル鑑賞の星、SabretoothさんがなんとDCにお越しになっていたとのことで、以下のようなコメントを頂戴しました。今日はSabretoothさんへのお返事です。 - - - - - - - - - - Commented by sabretoothjapan at 2004-12-12 04:36 x (前半略) 話は変わりますけど、この前の木曜日、Arlingtonにある劇場目当てでDCまでいってきました。雨の中DCでタクシー見つけるのに往生しました。で、質問なんですが、DCじゃ空車表示というのはどうなっているんですか?くる車のどれが空車かわからずに大変でした。 - - - - - - - - - - - えー、まず最初に一言書かせてください。 次回DCにお越しの際は是非お声をおかけください。らふぃの住所の後半はArlington, VA 22209でございます(笑)。アーリントン国立墓地から歩くと海兵隊記念碑を過ぎて高速の向かいにある、大きな4棟セットのアパート群に住んでいます。と、超ローカルな話題から失礼いたします。TVシリーズのThe West Wing(邦題「ザ・ホワイトハウス」)の1シーズン目の最後の話で、バートレット大統領が狙撃された時、すぐ後ろに写ってました。ペンタゴンから2キロくらいのところです。 と、私の住まいの話などはどうでもよいですね。Arlingtonはどちらの劇場においででしたか?あいにくの天気だったようですが、楽しい時間をお過ごしになっていればと思います。(と書いた後で、この観劇についてSabretoothさんがお書きになった、スリル溢れる素敵な記事を拝見しました。是非こちらもご覧ください。) さて、コメントで頂いたタクシーのお話。DCのタクシーについては色々話題があるような気がしますので、ご質問の件も含めて、少し書かせてください。 まず、ワシントン市(=DC=District of Columbia=コロンビア特別区)は面積がとても小さいので、タクシーはメーター制をとっていません。市内をいくつかのゾーンに分けて、そのゾーンを何個移動したかで料金計算をします。マンハッタンほどではないと思うのですが、それでもダウンタウンの交通が混雑して移動に時間がかかることを考えると、この制度は料金的には安心でき、助かります。他の大都市からいらっしゃる皆さんは、タクシーにメーターがついていないことで、白タクなのではないかととてもびっくりされるそうなのですが、DC市内で営業のタクシーについてはそういう理由でメーターがないのです。ご心配に感じられたら、窓のところに料金システムを説明したステッカーと、そして、右の座席の背中のワシントン市長名の入った料金制度の説明書がついていれば、合法のちゃんとしたタクシーということなので、ご安心ください。 それでもDC内でメーターのついたタクシーというのも見かけます。これは近郊のメリーランド州かヴァージニア州で営業しているタクシーです。DCのタクシーのゾーン制度は、DC内でのみ有効なため、これが州を越えて移動するとどうなるのか、というのは、実は住んでいる私たちにも甚だ疑問なところです。私はヴァージニア側に住んでいるので、よく利用するのはヴァージニアのタクシーですが、これはメーターがついているので、DCまで移動しても、そのメーターに表示される料金ということで非常にはっきりしています。 問題なのはDCからヴァージニアにあるアパートに帰る時です。これは同じ場所から乗っても、毎回料金が違います。運転手さんが、DCの端っこのゾーンまでで計算した後に、更に色をつけて料金を決めている、という感じです。チップ代を入れてしまっているのかなぁ、と思う位、普段より高めなこともあって、「あなたがとる分も入ってるの?」と間接的に聞いたりするのですが、まぁそういう質問をすると「料金分だけだよ」と答えが返ってきます。あたりまえですよね(苦笑)。結局、その料金にチップをつけて払います。そんな訳で、大概、ヴァージニアからDCに移動する時よりも、DCからヴァージニアに移動する時の方が、高くなってしまいます。ゾーン制度がワシントン市内にしか適用されない罠みたいなものです(笑)。 ご質問の件が後になってしまいました。 空車表示がどうなっているのか。 これはどうにもなっていません。 私たちにも空車がどれなのか、皆目見当がつきません。いつも車内に見える人の影に注視です(笑)。もしかしたら私が未だに知らないだけなのかと思い、昨日会った友人たちに確認をとりましたが、やはり表示はない、という答えで一致しています。なので、ひたすら通りに出て、手を上げ続けます。それでもDCと近郊は、流しのタクシーがたくさん走っているので、比較的タクシーは捕まえやすい町と言われているようです。ただ、天気の悪い時だと本当に大変ですよね。日本と同じで、やはり雨の降り始めは稼ぎ時なのだ、と運転手さんが言っていたことがあります。 どの町でもそうかと思いますが、ホテルや駅の前にはタクシー乗り場がありますので、そういう場所でしたらタクシーを見つけるのも楽かも知れません。特に地下鉄の駅には、町場でも必ずタクシー乗り場がありますから、もし地下鉄の駅がそばにあるところでしたら、駅に向かうのが確実にタクシーに乗れる方法です。じゃ、メトロに乗った方が早いんじゃないの?--とつっこみたいお気持ち、よくわかります。その通りかも知れません(笑)。 ちなみに、ワシントンのメトロを降りると、バス停とタクシー乗り場のそばに、必ず"Kiss & Ride"というコーナーがあります(これは町中を除く)。NYにもありますか?これは、地下鉄に乗る人を送り迎えする車が一時的に停車する場所、という意味です。"Ride"の方は、乗せる、ということですからわかるのですが、"Kiss"の方は?--と、こちらに来た当初は疑問でした。 答えは「いってらっしゃい」「いってきます」と運転して来た人と乗せてもらって来た人の間で交わされる"Have a good day"の"Kiss"なのだそうです。という訳で"Ride"は電車から降りて来た人を迎えること、"Kiss"は電車に乗る人をおろすこと、その二つ(つまりは「送迎」)を表現していることを知って、小じゃれて素敵なネーミングだなぁと感心しました。駅で"Kiss and Ride"の看板を見る度に、仲の良い夫婦の姿を想像して幸せな気持ちになります。 話がそれました。 さて、空車表示がわからないDCや近郊のタクシーにも、屋根にはサインがついています。大概電気がついていることはありません。というより、幸い一度も電気がついているところにお目にかかったことはありません。Sabretoothさんは、ここに何が書いてあるかご覧になる機会はありましたか? 多くのDC、MD(メリーランド)、VA(ヴァージニア)のタクシーの屋根上のサインには "Call 911" と書かれているのです。 Sabretoothさんにはもうおわかりですね。他の地域で読んでくださっている皆様、アメリカでの"911"というのは、日本で言う"110" と"119"が一緒になった電話番号です。つまり、警察、消防、救急の緊急車両を呼び出すための番号です。 万一、これに電気がついたタクシーを見たら、それは運転手さんが"SOS"を発信しているという意味なのです。車内で犯罪に巻き込まれた運転手さんが、危機を車外に知らせるためのサインです。これに電気がついているところにだけは出くわしたくないと、切に思います。見かけたらもちろん電話する覚悟ですが。 余り頻繁にタクシーに乗ることはないのですが、私はタクシーに乗って運転手さんとお話しするのが大好きです。道の作りが単純でわかりやすいワシントンと近郊では、タクシーの運転手というのは、住所だけを聞き取る英語の能力と、運転の技術があれば、始めることができる仕事です。ですから、外国からアメリカに移住してきて、まず最初に始める仕事というケースが多いと聞きます。その方たちが喋る英語は聞きづらいことも多いのですが、でも、外国からやってきてアメリカに住み始めてまだ数年という運転手さんたちの話は、まだまだアメリカに対する感情が新鮮で、とても興味深く思います。現実的な事情でアメリカに来る方がほとんどですが、その方たちが夢見ていたこと、そして現実に感じていること、アメリカにやって来た喜びと怒りと哀しさと嬉しさの本当に様々な思いとともに、運転手さんたちの故郷の話をうかがうと、私もまたアメリカに対してあらためて自分が内に持つ感情を思い出したり、目が見開くような未知の国への興味が広がり、そういうコミュニケーションが楽しみで仕方ないのです。 ある時、「君はベトナム人?」と運転手さんに聞かれたことがありました。私はたいてい彼らから一度で「日本人?」と聞いてもらえません。「残念。あなたはどこのご出身?」と聞き返したら、ラオスの方だったなんてこともありました。ちょっと違うけれど、ご近所?みたいに思われたのかしら、と思うと、それもまたとても嬉しかったものです。 世界のどこかで難民が出ると、その国出身の運転手さんがこの町に急に増えます。 世界と連動しているそんな現象を身近に感じること。それもアメリカの大都市に住む醍醐味なのかも知れませんね。 思いつくままにDCのタクシー事情を綴ってしまいました。 そうそう、来週末は友人を訪ねてNYに行きます。NYに滞在中もアップデートしたい記事があるので、Verizonのホットスポットを求めて、きっとマンハッタンを浮遊することでしょう(笑)。残念ながらビリー・ジョエルのヒットナンバーで綴られた新しいミュージカルの"Movin' Out"は、その週末はチケットが完売しているようです。今更なのですが、"Rent"か"The Phantom of the Opera"でも見ようかな、なんて思っています。本当はニューヨーク・バレエのくるみ割り人形も見たかったのですが、完全に出遅れてしまいました。Sabretoothさんのミュージカル情報、益々楽しみにしています。今回もきっと、NY市に溢れるイエローキャブに、たくさんお世話になることでしょう。どんな運転手さんに出会えるか楽しみです。そしてNYのタクシーがどんなか、興味を持って観察してしまいそうです。クリスマスに飾り付けられた町と、そして、初めてロックフェラーセンターのクリスマスツリーを見ることを、何より楽しみに向かいます。 どうぞ良い一週間をお過ごしください。 Sabretoothさんへ Raphie PS:わたしも今回のNY行きは、DCとNYの中華街を結ぶ、Chinatown Express Bus(通称「ちゃいばす」)を利用する予定です。Sabretoothさんの記事にある教訓に心して準備したいと思います(笑)。 PSS:大どんでん返しで、Sabretoothさまお勧めの"Movin' Out"のチケットが手に入ってしまいました!3階席の後ろの方ですが、楽しんで来たいと思います。アドバイス大感謝です。本当にありがとうございました!
by raphie
| 2004-12-13 06:11
| RosslynVA/Journal
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